東西ベルリン分断の象徴ブランデンブルク門(ドイツ) 水彩 19.5×24.2cm
絵画による時代の証言(文=美術評論家・佃 堅輔)
本作は、画家のサインによると1966年7月25日のスケッチ。東西ドイツ分裂の時代だ。ブランデンブルク門の前の看板には〈Sie velassen jetzt West-BERLIN〉(西ベルリンはここまで)というメッセージが読める。画家は、政治の非情さを目の当たりした証言者である。
ベルリンとは?
ドイツは16の州から成る連邦制国家として成り立っており、州によってさまざまな文化や特色が見られる。中でもドイツの首都・ベルリンの面積は東京23区の約1.5倍で、市域の3分の1は公園や水路、湖で構成されている。ベルリンの象徴的存在のブランデンブルク門は、ベルリン分断・統一の歴史を見守ってきた重要な建造物。高さ26m、幅65.5m、奥行き11mの大きな門は、古代ギリシャ風の古典主義様式で建設され、ドーリア式の12本の柱から構成されている。