サン=ポール=ド=ヴァンスの噴水 2009年 油彩 72.7×60.6cm(F20)
さまざまな風景美を見せるフランス南部を描く(文=美術評論家・佃 堅輔)
本作は噴水と、その背後に立つ建造物が奥行を形成し、安定した構成を見せる。
サン=ポール=ド=ヴァンスとは?
フランス南部には切り立った崖や岩山の上に造られた「鷲の巣村」と呼ばれる小さな村が点在している。サン=ポール=ド=ヴァンスもその一つで、画家や詩人、映画監督など多くの芸術家を魅了してきた。村の墓地には20年間住んでいた画家・シャガールの墓がある。村のシンボルとなっている広場の噴水は、1850年に腕利き石職人のメルキョール・マルタンによって造られた。