1. 垣内宣子《セザンヌのアトリエ(エクス・アン・プロヴァンス)》

    ごあいさつ

  2. 垣内宣子《バルト海クルーズ》

    略歴

  3. 社会貢献活動

  4. 出版物

シュノンソー城(アンドル=エ=ロワール) 水彩 29.4×40.2cm

 

水彩ににじむ女流画家の思い(文=美術評論家・佃 堅輔)

ルネサンス期の傑作・シュノンソー城は、フィレンツェ最古の橋「ヴェッキオ橋」から着想を得て考案された。城主が代々女性だったため至る所に女性らしい芸術性が見られる。ディアーヌ・ド・ポワティエは、1547年にシュノンソー城を譲り受け、革新的な造園工事で、シェール川に橋を建築。カトリーヌ・ド・メディシスは、さらに庭園を美しく整えた。その後、ルイーズ・デュパン(18世紀)、マルグリット・ぺルーズ(19世紀)、シモーヌ・ムニエ(20世紀)へと貴婦人たちによって受け継がれた。一人の女性として画家の思いもひとしおであろう。

アンドル=エ=ロワールとは?

フランスの中でもルネサンス様式の建築物が数多く残るアンドル=エ=ロワール。その代表格ともいえるシャンボール城は、当初フランソワ1世の狩猟小屋として建てられたため、敵からの防御を意図した構造物が一切無い。ダヴィンチが設計したといわれる、人と人とがすれ違わず昇降できる二重のらせん階段や、精巧に造られた屋根、彫刻が彫られた柱など、繊細な装飾が施されている美しい城で「シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷」として世界遺産に登録されている。同じく世界遺産に登録されているシュノンソー城は、シェール川をまたぐ神秘的な回廊や、2つのフランス式庭園があり、ヴェルサイユ宮殿に次いで観光客が多い城として人気を博している。代々城主が女性であったため「6人の奥方の城」の別名がある。