フランソワ・リュード広場(ディジョン) 水彩 38.0×52.0cm
アルザス特有の建築物とワイン街道(文=美術評論家・佃 堅輔)
本作は、かつてブルゴーニュ公国の首都だったディジョンにある。ディジョン生まれで、パリの凱旋門の彫刻で有名なフランソワ・リュードの名前を冠した広場である。広場には、メリーゴーランドや、ブドウを足で絞ってワイン造りをしているバッカス像が立つ噴水がある。画家がこの広場で注目したのは、やはりアルザス特有の建築物。その壁に見る木枠模様の赤茶色の鮮やかさだろう。
ディジョンとは?
ディジョンは14~15世紀にかけてブルゴーニュ公国の首都として栄えた歴史ある街。フランソワ・リュード広場はエトワール凱旋門の「ラ・マルセイエーズ」を手掛けた彫刻家の名に由来。リュード制作のブドウを踏むバッカス像やメリーゴーランドもあり、ディジョンのランドマークとなっている。