1. 垣内宣子《セザンヌのアトリエ(エクス・アン・プロヴァンス)》

    ごあいさつ

  2. 垣内宣子《バルト海クルーズ》

    略歴

  3. 社会貢献活動

  4. 出版物

サンタルチア港と卵城(ナポリ) 2018年 油彩 130.3×162.0cm 第57回大調和展 内閣総理大臣賞

 

絵画による「サンタ・ルチア」変奏曲(文=美術評論家・佃 堅輔)

イタリア南部の港町サンタ・ルチアといえば、ナポリ民謡(カンツォーネ)「サンタ・ルチア」で有名。本作は、2017年、画家が南イタリアに取材した際、ナポリのサンタ・ルチアで宿泊したホテルの高層階(10階)のレストランから見た景色の素晴らしさに、思わずスケッチしたという。青い海に浮かぶヨットと、歴史を感じさせる堅固な卵城の建造物とのコントラストが、ナポリの風景美を形作る。このスケッチを基にして制作した油彩画は、2018年第57回大調和展で発表され、内閣総理大臣賞を受賞。スケッチの感覚が油彩の色彩的技法の中で十分に濃縮され、タブローとしての完成度を示していた。

ナポリとは?

ナポリは歴史的栄華の跡が残る南イタリア最大の都市であり、ローマ、ミラノに続くイタリア第三の都市。スタジョーニと呼ばれる四季があり、湿度が高く温暖な冬と、乾燥して暑い夏の地中海性気候が特徴。世界三大美港の一つ「サンタ・ルチア港」の美しさは、世界的に有名なナポリ民謡「サンタ・ルチア」に歌い上げられている。海に突き出すように造られた巨大な石の要塞「卵城(カステル・デローヴォ)」。城の建築時に基礎の中に卵を埋め込み、「卵が割れるとき、城もナポリの街も滅びる」と呪文をかけた伝説により「卵城」と称されている。屋上からはサンタ・ルチア港をはじめナポリの街並み、天気が良ければヴェスヴィオ山、カプリ島まで見渡せる。