垣内宣子さんの画集発刊を心よりお慶び申し上げます。
垣内さんは、内閣総理大臣賞など栄えある賞に数多く輝き、今も現役の画家として精力的に活躍を続けておられます。
地中海沿岸の街並みをはじめ、世界各地に足を運び、垣内さんならではの豊かな感性と瑞々しい色彩で見事な作品を世に示してこられました。地元神奈川県の公的な施設は勿論、自民党本部にも100号のキャンバスに描かれた大作が飾られています。
私は垣内さんと長年にわたり懇意にさせて頂き、何事にもひたむきに挑戦される強い情熱と、春風を想わせる優しく暖かいお人柄に深く感銘を受けております。
また、その縁で今年2月、復興大臣室に作品を寄贈して頂きました。この場をお借りして改めて御礼申し上げます。
その作品には、南イタリアのアマルフィに存在したワーグナーの別荘の一角が描かれており、人々が連綿と紡いできた歴史の息づかいを感じることができます。私は今、東日本大震災からの復興に向けて多忙な日々を送っておりますが、この絵を眺めることが心の安らぎとなっております。
垣内さんの絵には、人の心を幸せにする力があります。垣内さんが今後も末永くご活躍されますこと、そして、垣内さんの作品が人々から愛され続けられますことをお祈り申し上げ、祝辞と致します。
祝辞
田中和徳(復興大臣・衆議院議員)より
祝辞
川口順子(元外務大臣・元環境大臣)より
私は垣内宣子さんの絵、特にヨーロッパの街の絵が大好きです。何世紀もの間、様々な人生の舞台になった石造の建物。人や馬車が行きかった石畳の道。城壁都市。そこに存在する石一つ一つの個性が丁寧に描きこまれているのです。人は昔から石の持つ永遠、重厚感、本質感に魅せられてきたと思います。その石に秘められた魂が、垣内さんの絵から私に語りかけて来るのです。
硬質感、重厚感を放ちながら、垣内さんの絵はとても明るく軽やかです。アーチやベランダに咲き乱れる花々。レストランのお盆をさげたウエイター。脚を組んでワインを飲む人。お店のショウウインドウのディスプレイ。細やかな描写があちこちにちりばめられています。子供の頃、絵本のディテールに見いったように、温かくユーモラスな細部を飽きずに見てしまいます。
垣内さんがこの度、画集を出版なさいます。ページを繰るのが楽しみです。
絵を描かれるのは夜、一日の主婦業が一段落してからだと伺いました。プロ級の料理の名手であり、社会の一員として、若者を育てるプロジェクトや地域に貢献する様々な活動の中心です。大きな存在感とパワフルな行動力があって、明るく楽しいお人柄で、こまやかな心遣いに溢れていて、尊敬を申し上げています。
そう、垣内さんの絵は垣内さんそのものです。私は垣内さんの絵が好きで、そして垣内さんが好きなのです。
ご挨拶
画集発刊によせてー垣内宣子
このたび、これまでに描きためてきたヨーロッパの水彩スケッチや、所属する大調和会の公募展で発表してきた油彩画の数々をまとめた画集を発刊する運びとなりました。
私は女子美術大学を卒業後の1966年に日欧文化交流の交換学生としてヨーロッパを訪れました。そこでヨーロッパの石の文化に強いカルチャーショックを受け、以来ヨーロッパの風景を主なモティーフとして描き続けてきました。結婚後も、商社マンの夫の仕事の関係で、家族でハワイに2年間駐在したほか、毎年夫婦で私の取材を兼ねてヨーロッパほか近隣の国々へ旅をし、現地でスケッチを描き続けてきました。いつしかその点数も膨大なものになりましたので、本画集では各作品を取材地域ごとに分類し掲載いたしました。皆さまがページをめくるたびにヨーロッパ諸国を旅しているような気持になっていただけましたら幸いです。
また、法政大学名誉教授で美術評論家の佃堅輔さまによる私の作品への批評文を、それらが掲載された美術書籍『ONBEAT』より転載させていただきましたので、新たにご執筆いただいた文章と併せてご参照いただければと思います。
末筆となりますが、田中和徳さまと川口順子さまからは、身に余るお祝いのお言葉をいただきましたこと、この場を借りて深く御礼申し上げます。そのお言葉に恥じぬよう、公募団体・大調和会の運営委員、中原市民館の講師としてこれからも絵画制作に精進するとともに、芸術活動を通じて地域社会への貢献を続けていくつもりです。
全国書店ほか、通信販売等で発売中