1. 垣内宣子《セザンヌのアトリエ(エクス・アン・プロヴァンス)》

    ごあいさつ

  2. 垣内宣子《バルト海クルーズ》

    略歴

  3. 社会貢献活動

  4. 出版物

初夏のウルビーノ No.2(ドゥカーレ宮殿) 油彩 162.0×130.3cm 神奈川歯科大学附属病院蔵

 

ルネサンス期の繁栄に思いをはせる(文=美術評論家・佃 堅輔)

イタリアの小都市ウルビーノは、15世紀に芸術文化の中心地としてその名をはせ、ヨーロッパ各地からたくさんの学者や芸術家たちが集ったという。本作で画家は、石畳を歩く自分の足元の影の濃さに気付き、ふと立ち止まる。見上げると、そこには青空の下にウルビーノのドゥカーレ宮殿がそびえていた。宮殿を眺めながら画家は、赤い屋根の家々の窓辺に飾られた赤い花々や木々の緑の柔らかさに初夏を感じとる。

ウルビーノとは?

丘陵地帯にそびえる世界遺産の街・ウルビーノ。15世紀にルネサンス文化の中心として栄えた芸術の街。ルネサンス建築の傑作と評されるドゥカーレ宮殿は、文化と芸術を愛した軍人フェデリコ・ダ・モンテフェルトロの命によって建設された。内部にはルネサンスを代表する画家・ラファエロやピエロ・デッラ・フランチェスカの作品が展示されている。宮殿の向かいにはゴシック様式とルネサンス様式で建設されたサン・ドメニコ教会。ウルビーノで最も急な坂道の途中にはラファエロの生家があり、内部にはフレスコ画の傑作『聖母子像』が展示されている。