エーゲ海・白の島(ミコノス島) 162.0×130.3cm JAセレサ川崎本店 蔵
エーゲ海の景観を際立つ画力で魅力的に描写(文=美術評論家・佃 堅輔)
エーゲ海の紺青の空と海は、一切の濁りを許さず澄みわたる。そしてそれを一層美しく際立たせるものは、白い壁の家並みの存在である。手前の風車は、かつて小麦をひくために使われていたもので、今はこの白い島(ミコノス島)のシンボルとなっている。この白と青とのまばゆい色彩コントラストの美に、画家は魅了されてやまないのだ。画家の色彩への旅は終わらない。
ミコノス島とは?
「エーゲ海に浮かぶ白い宝石」と称されるミコノス島は世界有数のリゾート地。白で統一された街並みが美しく、青や赤に塗られた扉や窓枠がその景観にアクセントを与えている。丘の上にはエーゲ海を見下ろすようにたたずむ6基のカト・ミリの風車がある。かつては小麦をひくために使われていたが、現在はそのうち1基が博物館となっており、ミコノスの歴史を垣間見ることができる。