1. 垣内宣子《セザンヌのアトリエ(エクス・アン・プロヴァンス)》

    ごあいさつ

  2. 垣内宣子《バルト海クルーズ》

    略歴

  3. 社会貢献活動

  4. 出版物

初夏 ワーグナーの別荘にて(アマルフィ) 油彩 91.0×72.7cm 復興庁(復興大臣室)蔵

 

アマルフィの陽光と歴史の跡を色彩豊かに留める(文=美術評論家・佃 堅輔)

本作は、綜合芸術としての「楽劇」の世界を切り開いた音楽史上の巨匠、リヒャルト・ワーグナー(1813~1883)の別荘を描く。アーチ型の白壁の前には花が捧げられ、音楽家の在りし日の姿をほうふつとさせる。水道、ベンチ、石畳など、人け無き静かな庭の一隅に、音楽の音色がかなたから響いてくるのを画家は感じたであろう。本作は、ワーグナーの芸術的苦悶を、その歴史の跡を、今やモニュメンタルなものとして静かに留めている。2020年2月に復興庁・復興大臣室に収蔵された。

アマルフィとは?

「世界一美しい」といわれる海岸で有名なアマルフィ。約40kmにわたる海岸線には、切り立つ岸壁やつり橋、そそり立つ塔、漁村群など見事な眺望が続く。標高約350mの高台に位置するラヴェッロの街は、音楽家ワーグナーゆかりの地であり、音楽の街としても知られている。毎年夏には音楽祭が開催され、メイン会場となる庭園「ヴィラ・ルーフォロ」のテラスからはサレルノ湾やアマルフィ海岸が見渡せる。