タリン遠望 No.2 2021年 油彩 162.0×130.3cm(F100)
バルト三国の一つ、エストニアの首都・タリン(文=美術評論家・佃 堅輔)
《タリン遠望 No.1》の続編として制作された本作は、《タリン遠望 No.1》とともに2点そろって画家が運営委員を務める「大調和会」の第59回展に出品された(コロナの影響により東京本展は中止)。いずれも、バルト三国の一つ、エストニアの首都タリンの旧市街を描いた作品だが、さすが自宅の設計までしてしまう画家だけに、街並みの描写はお手のものである。
タリンとは?
バルト三国の一つ、エストニアの首都タリンは、エストニア語で「デンマーク人の城」を意味し、13世紀にエストニア人の砦をデンマーク王が占領したことに由来する。占領時、最初に建設した大聖堂やトームペア城を中心に、上流階級が住んでいた「トームペア」と呼ばれる丘の上にある地区と、下町のローワータウンから成る旧市街地は「タリン歴史地区」として世界遺産に登録されている。