ヴァレッタ(マルタ島) 水彩
マルタ共和国とは?
マルタ共和国は、イタリアの南側、地中海の中央にある小さな島国で、3つの島(マルタ島、ゴゾ島、コミノ島)で構成されている。日本人にはあまり馴染みの無い国だが、温暖な気候に、良好な治安、美しい海、世界遺産の城塞都市、超古代遺跡、地中海の海の幸など多くの魅力に恵まれたリゾート地でもある。市街全体が世界遺産に登録されている首都ヴァレッタは、オスマン帝国からの攻撃を防ぐために建設された城塞都市である。1565年にオスマン帝国からの防衛に成功した聖ヨハネ騎士団(のちのマルタ騎士団)の総長ジャン・ド・ヴァレットにちなみ命名されたこの街では、至る所に聖ヨハネ騎士団の面影を感じられる。マルタ人建築家のジェラーロモ・カッサールによって設計され、5年の年月をかけて完成した聖ヨハネ大聖堂(正式名称:「聖ヨハネ准司教座聖堂」)は、シンプルな外観とは裏腹に、その内部は黄金一色の豪華絢爛な装飾が施されている。小礼拝堂に展示されている絵画、カラヴァッジオ作『洗礼者ヨハネの斬首』は、教会内で最も有名な作品である。カラヴァッジオの傑作の一つで、画家本人の署名がされた唯一の作品として知られている。バロック様式の美しい建築物をはじめ、堡塁・幕壁・半月堡や公園・教会が都市を彩るさまから、ヨーロッパの上流階級の間では、ヴァレッタは「スペルビッシマ」Superbissima(最も高貴な)都市と呼ばれるようになっていった。また、マルタにはハジャー・イム神殿や、地下宮殿ハイポジウムなど20以上の超古代遺跡が存在し、それらは世界最古の巨石遺跡とされるエジプトのピラミッド群よりも千年以上前のものであることがわかっている。マルタの遺跡の文明は、エジプト文明やシュメール文明が始まるずっと前に存在していた謎の文明である。