1. 垣内宣子《セザンヌのアトリエ(エクス・アン・プロヴァンス)》

    ごあいさつ

  2. 垣内宣子《バルト海クルーズ》

    略歴

  3. 社会貢献活動

  4. 出版物

オルセー美術館の大時計よりパリ市街を望む 2016年 油彩 112.0×162.0cm(P100) 東京歯科衛生専門学校 蔵

 

絵画で味わうパリの楽しさ(文=美術評論家・佃 堅輔)

本作では、画家の斬新な視線が何よりも注目されよう。画面全体のコンポジションの要となる大時計文字盤の指針の間から、青空の下に広がるパリ市街が眺望されるのだ。前景から一気に遠景へと視線を誘導させ、まるでパースペクティブの脈絡を断ち切るかのように巧まれた風景空間。画家のパリに対する強い憧憬的な思いが、単なる風景対象を超えようとする主観的意識と結び付いたことで生み出された快作。

パリとは?

パリは、歴史的建造物が数多く残る世界屈指の観光都市。オルセー美術館の建物は、1900年のパリ万博に際し、オルセー駅の鉄道駅舎兼ホテルとして建設された。その後、取り壊しの危機を免れ、イタリアの建築家ガエ・アウレンティの改修により、美術館として生まれ変わった。現在は印象派のモネやルノワールなど芸術家たちの名作をはじめ、19世紀の美術作品を所蔵。シンボルの大時計の裏側からはパリ市街が見渡せる。「世界一華やかな並木道」と名高いシャンゼリゼ通り。凱旋門からコンコルド広場に至る全長約2kmの通り沿いには、高級ブティックやテラスを張り出したカフェなどが並び、パリジャンや観光客でにぎわっている。